2017年も早いもので師走となり、残り数週間となりました。
どうしわす?という体感温度が下がるようなオヤジギャクは置いといて、今日は後味の悪く、未だに忘れることの出来ない年忘れについて話をしたいと思います。
それは今からかれこれ20年近く前の事です。
当時、実家は零細ながらも自営業をしていました。
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家族会議の結果、家族みんなで忘年会としてカニ料理を食べにカニ料理屋に行く事となったのです。
幼いながらも家計の事はうすうす気づいていたのですが、年に一度くらいはちょっと贅沢をしてもバチは当たらないだろうという父親の言葉もあり、かに料理屋に行く運びとなりました。
お店に着くと、外観からしてお高そうな感じで、お店の店員さんも着物を着ていたりと、思いっきり場違い、いや我が家の家計や経営状態からすれば背伸びもいいところでした。
もしかしたら忘年会というよりも、最後の晩餐かな?なんて悪いほうに考えたりもしたのですが、それは半分図星で、数ヶ月前に母親より、「もうお金がない、、、」と思わず食欲がなくなるような事を聞いていたからです。
さてさて、お高そうな個室に入ると、注文したカニ料理が運ばれ、今まで味わった事のないあまりのカニの美味しさに日頃の嫌な事なんてすっかり忘れていました。まさに年忘れかおしれませんね。そしてこれは今まで我が家が一丸となって血眼に働いてきた事へのご褒美なんだと。
シメのカニ雑炊も食べたところでお腹もいっぱいとなり、「大蔵大臣」の母親がお会計のレシートを見ると、まさかの4万円!
きっと何かの計算ミスだろう、ここはボッタクリな訳が無いと、自分達で計算をしてみたところ、どうも数量が倍となっており、2万円の倍の4万円の請求となっていたのです。
両親が当初、店員と話しをしましたが、「食べてしまったのだから4万円を払っていただきます」とのスタンスで、一向にらちがあかず、カニ料理のおいしさから奈落の底に垂直落下式ブレーンバスターで落とされたような後味の悪さです。
その後、店長を呼んでもらい、再度話しをしました。
こちらが注文した料理は全部で2万円でしたが、「量が倍であるという間違いに客側が気付き、その時点で箸をつける前に返品をすれば流石にこちらも4万円は請求しなかった」とイライラ口調で店長は一歩も譲る気はありませんでした。
「店側はそもそも聞き間違えか伝票への書き間違え、あるいは料理を渡す際に明らかに人数の倍の注文ならばプロなのにそれこそそれに気付かないのはおかしいと思わなかったのか」と父親が切り返したところ、「今回だけですが、どうです?2万円で手を打ちませんか?」となりました。
たまたまだったのか、業界的によくある事なのか、あるいはボッタクリのお店だったのかわかりませんが、金額の問題以前にせっかくのおいしいカニ料理の後味が悪くなってしまった事は事実です。
謝るというのは海外では自分の非を認めるという事となり、最近は日本でもこのような考え方が広がりつつあるのではと思います。
一方で謝るにも謝り方や何に対しての謝罪なのかというものもあり、倍の請求をしてしまった事に対しての謝罪でないまでにしても、サービス業ならば迷惑や不快な思いをさせてしまった事に対して謝るなど安易に店側の過ちを認めないまでも、お客さん側の後味をカバーするような物の言い方もあったのではと思います。
毎年冬になるとテレビの旅番組でおいしそうなカニを見たり、あるいは忘年会の時期となると上述のカニ事件を思い出してしまうのですが、やはり忘年会ぐらい嫌な事は忘れて美味しい料理を楽しみたいものです。
謝罪の王様 [ 阿部サダヲ ]
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