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2017-12-28

【まとめ】米国株ETFと投資信託による実質的な米国株ETFの保有のメリットとデメリット

こんにちは、ストーンヘッド鈴木です。

米国株ETFと投資信託による実質的な米国株ETFの保有のメリットとデメリットについて以下の様にまとめました。

今回の比較に至った背景として、2017年は投資信託における激動の1年といっても過言ではありません。


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投資信託は100円以上1円単位での投資が可能となり、投資信託による投資がより身近な環境となりました。

また、これまでは日本から投資信託を通して米国のインデックス・ファンドに実質的に投資をするには、現地のETFと比べると、どうしても信託報酬が割高となりがちでもありました。



ところが楽天投信投資顧問とバンガードのタッグによる「ツープラトン」の相乗効果(シナジー)ともいえる投資信託が出てきました。

驚くべき事はその投資信託の信託報酬の安さ(低さ)です。

例えばバンガードの主力ETFのひとつといっても過言ではないVTI(全米株式のほぼ100%を対象)の信託報酬は0.04%ですが、楽天VTIともいうべき投資信託の楽天・全米株式インデックス・ファンドの信託報酬は0.1696%となっています。

上述の100円から投資信託の購入が出来る事に加え、楽天VTIをはじめとする楽天・バンガードの投資信託の信託報酬の低さを踏まえると、米国株ETFを直接保有する場合のメリットやデメリットは何か知る事が出来れば、投資の判断につながると考え、今回の比較に至りました。

以下にバンガードのVTIと楽天VTIを例として部分的に挙げながら、米国株ETFと投資信託にて実質的に米国株ETFを保有する際のメリット、デメリットをまとめました。


~米国株ETFを直接保有する際のメリット~
1、信託報酬が安い(低い)
例、VTI:0.04%

2、市場の規模が大きい
世界経済の中心、そして世界最大の株式市場ともいうべき米国株式市場への投資が出来る。

3、ETFの純資産が大きい
例、VTIの純資産:約900億ドル(2017年11月30日現在)

4、夜間に売買が出来る
ニューヨーク市場と時差があるので昼間の仕事が終わってから夜間に売買が出来る。

5、スピーディーに約定出来る

6、外国税額控除「も」出来る
米国現地にて配当金/分配金に源泉課税(10%)された税金は条件はあるものの、確定申告時に外国税額控除の手続きをすると還付も出来る


→関連記事:【控除】1557 SPDR S&P500 ETFを中心とした外国税額控除の確定申告について【節税】




~米国株ETFを直接売買する際のデメリット~
・口数指定(株数指定)でしか売買出来ず、特に基準価額が大きくなると買い増しが難しくなる。

・手数料が高い
手数料が安くなったとはいえ、米国株を買う時、売る時にそれぞれ最低5ドルの手数料が必要。
特に小額で売買をする場合には手数料が割高となりやすく、手数料負けに注意が必要。
→収入源の分散化である→分散収入→節約などで手数料負けをしないように投資可能資金を用意し、売買額を増やす。

・為替の計算と税金
税金は日本に住民登録をしていれば円建てが基準となり、為替差損益における利益(為替差益)は雑所得(雑収入)となるなど税金の計算の手間がかかる。
→繰越は出来ないものの、一般的に雑所得で生じた経費など雑所得内での相殺による節税は可能と考えられる。


~投資信託で実質的に米国株ETFを売買するメリット~
・売買手数料が無料
楽天VTIなどノーロードの銘柄は買う時も売る時(解約時)も売買手数料が無料で出来る。

・評価額の上昇を見込みやすい
投資信託より分配金が出た場合、分配金に対して課税がされます。
税金は金融資産を増やす上で足かせとなりますが、投資信託が分配金を出さない場合、分配金の分は一般的に投資信託内で再投資されると考えられ、基準価額の上昇による評価額の上昇が見込みやすい。
なお、最終的に売却(解約)した際に譲渡所得に対して課税されます。

・ドルコスト平均法による積立投資がしやすい
投資信託は口数指定以外に金額指定で売買出来、2017年より投資信託が100円以上1円単位で買える様なった事から、ドルコスト平均法を用いた積立投資がしやすい。
加えて楽天証券ではポイントによる投資信託の売買も可能であり、気軽に投資がしやすい。

→関連記事:【楽天カードマン】楽天カード×楽天証券×楽天銀行の利便性が更に向上【100ポイントから投資信託が買える】

・円建てのまま売買出来る
楽天VTIなど日本円のまま実質的に米国株ETFへの売買が出来るので、ドル転・円転の両替手間や為替差損益など為替の計算は必要ない。

・板に張り付く必要性がない
昼間仕事でも売買の締め切り時間までに注文を入れておけば売買が出来る。



~投資信託で実質的に米国株ETFを売買するデメリット~
・約定にタイムラグがある
投資信託である都合上、瞬時に約定による売買が出来ないので、約定がどうしても遅い。
→盆栽を育てていくような気長に中長期で運用していく心構えも必要

・外国税額控除が出来ない
米国現地で仮に10%の配当課税がかかっていたとしても、一般的に投資信託にて実質的に米国株ETFを保有している個人投資家は外国税額控除による還付は出来ないと考えられる。

・信託報酬が割高となりがち
運用会社も営利会社である都合上、本家のETFを直接保有するよりも、どうしても信託報酬が割高となりがち。
→楽天投信投資顧問とバンガードのタッグにより、投資信託の信託報酬が安くなった。
例:楽天VTIこと楽天・全米株式インデックス・ファンドの場合
本家VTIの信託報酬0.04%+楽天投信投資顧問のマージン0.1296%=0.1696%


~まとめ~
米国株ETFを直接保有するのか、投資信託により実質的に保有するのか、果たしてどちらの方がメリットとなるのかは、投資可能資金によっても違ってくるので一概に甲乙はつけ難いです。

それでも楽天VTIをはじめ、安い信託報酬で実質的に米国株ETFの保有が100円から出来るようになったというのは我々日本の個人投資家に選択肢が増えた事であり、喜ばしい事です。

ご自身におけるメリット、デメリットを踏まえた上で、検討する際の参考のひとつとなれば幸いです。


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