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2017-12-06

【上場廃止の予定】東証上場iシェアーズETFのスクラップアンドビルドとリスク管理【繰り上げ償還】

こんにちは、ストーンヘッド鈴木(@StoneHeadSuzuki)です。


スクラップ・アンド・ビルド 羽田圭介 著/文藝春秋【文芸書】【ギフト】【贈り物】【プレゼント】【ラッピング無料】【店頭受取対応商品】


最近、思うことがあります。それは一寸先の事なんて誰しもわからないという事です。

もちろん、五感を働かせたり、動向を調べておく事で事前に予測を立てる、あるいは立てれる方もいるかもしれませんが、何事にもセンスのない私、ストーンヘッドにはそれはちょっと難しい事でもあります。

さて、記憶に新しいのは2017年9月28日に発表されたiシェアーズ(ブラックロック社が運用)のETFシリーズの1部銘柄が上場廃止の予定となった事です。



それに伴い、該当銘柄は上場廃止の予定に伴う繰り上げ償還の予定となりました。

対象銘柄は以下の10銘柄です。
・1590 iシェアーズ 米国リート・不動産株ETF-JDR(ダウ・ジョーンズ米国不動産)
・1589 iシェアーズ 米国高配当株ETF-JDR(モーニングスター配当フォーカス)
・1588 iシェアーズ 米国小型株ETF-JDR(ラッセル2000)
・1587 iシェアーズ 米国超大型株ETF-JDR(S&P100)
・1583 iシェアーズ フロンティア株ETF-JDR(MSCIフロンティア100)
・1582 iシェアーズ エマージング株ETF-JDR(MSCIエマージングIMI)
・1581 iシェアーズ 先進国株ETF-JDR(MSCIコクサイ)
・1363 iシェアーズ 米国債ETF-JDR(米7-10年国債)
・1362 iシェアーズ 新興国債券ETF-JDR(自国通貨建)
・1361 iシェアーズ 米国ハイイールド債券ETF-JDR(iBoxxドル建てLHYC)

参照:日本取引所グループ

1590などiシェアアーズの東証上場ETFは、円建てなので、日本円のまま米国のみならず、1362の様に新興国にも投資出来るというメリットがありました。



また、特に1361や1362は利回りが高く、1361は2017年12月6日の終値換算で5.51%、1362は5.03%である事からも、分配金再投資(配当金再投資)や分配金生活(配当金生活)の銘柄のひとつとしてポートフォリオに組み入れていた方も多くいたのではないでしょうか。

なお、これらの銘柄の上場廃止予定のスケジュールはブラックロック社のウェブサイトにて公開されており、現状では2018年1月22日をもって上場廃止の予定となっています。


参照:ブラックロック 「信託の終了に係る上場信託受益権信託契約の変更及び 催告の対象となる受益者確定のための権利確定⽇の設定に関するお知らせ」

上場投資信託/上場投信であるETFの上場廃止は繰り上げ償還となり、個別銘柄の株式投資とは違い、一般的に紙くずにはならないメリットがありますが、それでも上場廃止による繰り上げ償還というのは今後の投資戦略に影響を与えかねず、私は以前よりETFの運用会社や銘柄分散によるリスクの分散を口が酸っぱくなるくらいに、唱えて来ました。


→関連記事:【配当収入】貯株によるETFの長期積立投資におけるリスク分散と注目点【不労所得】

上述の10銘柄がスクラップとなる一方で、ブラックロック社から以下のETFがビルドされました。

・1655 iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF
・1656 iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF
・1657 iシェアーズ・コア MSCI 先進国株(除く日本)ETF
・1658 iシェアーズ・コア MSCI 新興国株 ETF



しかし実は過去にもブラックロック社は以下のETFにおいて上場廃止による繰り上げ償還をしています。

・1307 iシェアーズTOPIX
→2001年8月22日東証上場
→2004年9月10日上場廃止
参照:投信資料館

・1315 iシェアーズS&P/TOPIX150
→2001年8月29日東証上場
→2004年1月9日上場廃止
参照:投信資料館


2度ある事は3度あるのことわざではありませんが、今回新たに東証に上場されたETFに対して疑心難儀な方もいらっしゃるのではと思います。

私もこの点については、ちょっと慎重にならざるを得ないかなと感じてしまいます。

オマハの賢人ことアメリカの著名投資家であるウォーレン・バフェット氏は教えとして
1、損をしない事
2、1を繰り返す事
を挙げています。

つまり最初は儲かっていても、今回の上場廃止予定による繰り上げ償還のように、最後の最後で損をしては意味が無いという事です。

例えば1362は上述の通り利回りは高いのですが、右肩下がりのチャートとなっており、含み損のほか、買い増しや積立により口数を増やしていた方も多くいたのではと思います。


1362のチャート
引用:ヤフーファイナンス

なぜなら買い増しにより口数を増やす事は分配金(配当金)が増えることにつながるからです。

そこにもってきて上場廃止に伴う繰り上げ償還となると、分配金が増えるどころか、含み損が確定損失となりかねない訳です。



もっとも、株式投資の場合は同年度内の確定損失は譲渡利益や分配金/配当金との損益通算や、確定申告により翌年以降3年間は損益通算が出来る制度となっています。

投資の基本としてたまごをひとつの籠に盛る事無く、運用会社なり銘柄なりの分散が出来ていれば、仮に上場廃止による繰り上げ償還により確定損失が発生しても比較的損害は小さく済むのではないでしょうか。

さてさて、必ずしも悪いことばかりとも限らないのが人生です。谷があれば山がある。上り坂もあれば下り坂もあります。

実は今回、上場廃止の予定となった10銘柄のうち、いくつかの銘柄は米国株も取り扱っているSBI証券にて有料(1回あたり税別7,000円)とはなりますが、米国上場のiシェアーズのETFへ転換も出来ます。

対象は以下の7銘柄です。
・1581 iシェアーズ 先進国株ETF-JDR(MSCIコクサイ)
・1582 iシェアーズ エマージング株ETF-JDR(MSCIエマージングIMI)
・1583 iシェアーズ フロンティア株ETF-JDR(MSCIフロンティア100)
・1587 iシェアーズ 米国超大型株ETF-JDR(S&P100)
・1588 iシェアーズ 米国小型株ETF-JDR(ラッセル2000)
・1589 iシェアーズ 米国高配当株ETF-JDR(モーニングスター配当フォーカス)
・1590 iシェアーズ 米国リート・不動産株ETF-JDR(ダウ・ジョーンズ米国不動産)

積み立て等で多くの口数を保有している方で、米国株式市場での売買を検討している方は、繰り上げ償還や繰り上げ償還前の売却の他に、転換もひとつの選択肢としてあります。
参照:SBI証券 米国ETFへの転換

ETFは個別銘柄と比べると短期では大きく儲ける事は難しくとも、インデックスなので市場の平均は取りやすい事や、上場廃止となっても紙くずとはならない事などメリットもあります。

一方でスクラップアンドビルドが今後も問答無用に頻繁に繰り返されるようでは、東証に上場しているETFを長期投資で運用していくにはリスクが大きくなりかねないだけではなく、東証上場ETF業界全体の運用会社への信用や、東証上場ETFへの人気の低下により、流動性や純資産の低下も懸念されかねません。

個人投資家は運用会社や銘柄の分散によるリスク管理を強化する一方で、運用会社も個人投資家が積立など長期投資を行いやすいようにETFの安定した運用や商品開発、普及PR活動なども必要なのではないでしょうか。


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