投資には色々な手法があり、実に十人十色ですが、おおざっぱにお金を増やすための株式投資を大きく分けると2つあります。
1つは企業の成長性から値上がり益を狙うパターン。
もう1つは高配当銘柄への投資により配当金を再投資するパターン。
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今日は、高配当銘柄への投資のひとつとして株と同じようにリアルタイムで売買が出来るETF(上場投資信託/上場投信)を用いた新興国債券への投資は本当に美味しいのかについて述べたいと思います。
なお、株式と債券では本来の意味合いは違いますが、ETFとして株式市場で売買出来ることや高分配(高配当)であることから高分配や分配利回り(配当利回り)に注目して取り上げたいと思います。
個人的にも東証に上場されている以下の新興国債券ETFを通して新興国への投資は以前から何度も何度も検討をしていました。
・1362 iシェアーズ 新興国債券ETF-JDR(自国通貨建)
・1566 上場インデックスファンド新興国債券(日興)
※1362は上場廃止に伴い、繰り上げ償還となりました。
→関連記事:【上場廃止の予定】東証上場iシェアーズETFのスクラップアンドビルドとリスク管理【繰り上げ償還】
なぜなら利回りが美味しそうだからです。
しかし、世の中そんな美味しい事ばかりなのでしょうか。
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私の好きな漫画やアニメのひとつでテーマ曲をカラオケで歌ったりもしているのですが、「ゆーはく」こと「幽☆遊☆白書」の登場キャラクターである蔵馬はこんな事を言っています。
「綺麗な花には棘があるのさ」と。
バラは非常に美しい花のひとつで、ヨーロッパではバラを女性にプレゼントしたり、訪問の際にテーブルの上に飾ったりしたのですが、バラや女性の美しさにだけ目がくらんでしまうと、時にトゲで思わぬ痛い思いをしかねません。
さて、東証に上場されている新興国債券ETFは上述の通り、大きく2つあり、高分配ETFである1362 iシェアーズ新興国債券ETF-JDR(ブラックロックが運用)は1口(1株)単位で売買が出来ます。
よって、同様のETFである1566 上場インデックスファンド新興国債券ETF(日興が運用)よりも1362の方が積立やナンピンによる買い増しがしやすいです。
また、1362などは米国株の売買とは違い、東証に上場していたので東証上場のETFを通して実質的に海外への投資が出来ました。
その上、日本国内の個別株と同様に取引時間中はリアルタイムに売買が出来、楽天証券やSBI証券、松井証券では1日の売買金額が10万円までは売買手数料が無料なので米国株とは違い、手数料負けしにくい投資環境でもあります。
→関連記事:【下克上】国内証券会社では10万円までの現物株の手数料無料が基準となる?【戦国時代】
1362の気になる利回りは2017年12月5日の終値現在で、5.0%と数字だけを見ると分配利回り(配当利回り)に魅力を感じないわけではありません。
5.0%の利回りという「下心」に気が集中してしまいがちですが、ここで少し視野を広げてみましょう。
例えば日本国内の個別銘柄ではJTこと2914 日本たばこ産業はヤフーファイナンスによると2018年3月13日の終値時点で配当利回りは4.91%。
日産自動車(7201)においては同様に4.69%と4%台後半という配当利回りの高さとなっています。(もちろん配当性向やタコ足配当などに注意も必要ですが)
人はついつい遠くを見がちですが、時に灯台下暗しでこのように近くに高配当株もあったりもします。
本来債券はリスクが低いというメリットがありますが、新興国の高金利通貨においては後述のような特有のリスクや傾向の懸念があります。
よって日本株で4%後半の利回りが確保出来てしまう事から、新興国の債券の5%台の利回りは魅力が低く写りますし、個人的には新興国の高金利通貨建ての債券の場合、後述の特有リスクを踏まえると8%~9%の利回りは最低ほしいです。
さて、iシェアーズのEMB iシェアーズ J.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券ETFはドル建てですが、1362は自国通貨建てとなっているところが気になるところでもあります。
なぜなら基軸通貨である米ドルですら長期のスパンでは円高傾向だからです。
米ドル/円のチャート
引用:https://jp.tradingeconomics.com/japan/currency
南アフリカランド/円のチャート
引用:ヤフーファイナンス
新興国の高金利通貨はトルコリラや南アフリカランドの様に長期のスパンでは一般的に円高傾向になりやすいと考えられます。
アメリカの政策金利が今後、徐々にながらも上げられると、新興国の政策金利が上がらない限り、新興国とアメリカとの政策金利の差は減ります。
加えて新興国の政情や汚職、長期での円高傾向の他、可能性としては低いかもしれませんが万が一のデフォルトなどリスクを考えると新興国債券への投資は割に合わなくなる、つまり残念ながら旨みは減ると考えられます。
投資家は慈善活動家でもない限り、自身の利潤を第一に追求しますが、一方で政策金利が上がるという事は一般的に現地で生活している方はインフレにより物価が上昇する事となります。
よってもし収入が物価に比例する形で上がらなければ収入に対して支出があべこべとなり、生活は苦しくなるとも考えられます。
さて、チャートを見ると、新興国は通貨もETFの価格も長期では基本的に右肩下がりです。
1362のチャート
引用:ヤフーファイナンス
分配金は権利付最終日当日の15時の時点で保有している口数(株数)により、後日分配(配当)されます。
したがって、下がってきたところでナンピンやドルコスト平均法などの積立により口数を増やす事は分配金が増え、分配金再投資による複利運用の加速へとつながります。
しかし、もし今回の1362のようにETFの上場廃止(予定)にともなう繰り上げ償還となると、今までの自身が計画をしていた投資プランに影響しかねません。
参照:ブラックロック 「信託の終了に係る上場信託受益権信託契約の変更及び 催告の対象となる受益者確定のための権利確定⽇の設定に関するお知らせ」
幸いにもETFは上場投資信託/上場投信なので、上場廃止の予定といっても最悪は繰り上げ償還になるだけで紙くずになるという事は一般的にはないと考えられます。
問題は繰り上げ償還時の基準価格であり、このような新興国の債券は上述の通り、右肩下がりのチャートとなっており、分配金でのETFの恩株化よりも前に、繰り上げ償還により含み損が確定損失となりかねません。
ちなみに5%の利回りの場合、72の法則で約14.4年で投資元本がチャラになります。
上場廃止による繰り上げ償還の際に、もし利回りに魅せられてポートフォリオに占める1362の保有率が高かった場合、今までの投資プランに影響が出る事になりかねません。
やはり私が以前から口を酸っぱくして警鐘していたように、運用会社や銘柄の分散によるリスクの減少を対策として講じておく事が、自身の金融資産を守る事にもつながるのではないでしょうか。
→関連記事:【配当収入】貯株によるETFの長期積立投資におけるリスク分散と注目点【不労所得】
なお、仮に確定損失となってしまっても、そもそも投資は余剰資金で行っていたり、生活防衛資金と分けて運用していれば当座お金に困るということもないでしょう。
その上で、当年度内の株式やETF、投資信託の確定譲渡益や配当金、分配金との損益の通算をはじめ、確定申告により翌年以降3年間は損益の通算が制度上出来るので、余程大きな確定損失でない限りはそれほど悲観的にならなくても株式投資の場合は良いのかなとも考えれます。
この頃ビットコイン(仮想通貨/暗号通貨)で大もうけした、あるいはまだビットコインをやってないの?との甘い誘惑とも受け取れる甘い声が聞こえなくも無いですが、本来、債券そのものはリスクが低い金融商品ですし、上述の様に株式投資は損益の通算や税率など制度もビットコインよりも整っています。
例えば株式投資は税率も20.315%と最大で半分近く持っていかれるビットコインの雑所得(雑収入)である総合課税の税率よりも低くなっています。
結局のところ、未来の事はエスパーでも無い限り、わからず、われわれは結果論として過去の評価が出来るというだけです。
新興国債券への投資はデメリットだけという訳でもないので、メリットやデメリット、そしてETFのメリットや税制も考えた上でポートフォリオの一部に留めて組み入れるなど総合的に検討してみては如何でしょうか。
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→関連記事:【上場廃止の予定】あの日を境に投資方針が大きく変わりました【繰り上げ償還】
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