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2018-03-30

PTS取引や売買手数料無料化拡大など証券会社の現物株取引サービスの激化とメリット

こんにちは、ストーンヘッド鈴木です。

今回は証券会社の現物株の売買など取引サービスの激化についてです。

諸般の事情で確定申告で「しくじり先生」をやってしまったのですが、その対応が終わってから、ふぅ~やれやれと思いながら、先日、証券会社のウェブサイトを何気なく読んでみると、PTS取引による日本株の売買を開始する旨が書かれていました。



PTSとはなんぞやといいますと、
”日本証券業協会の定める「上場株券等の取引所金融商品市場外での売買等に関する規則」などにしたがって、行われる取引所金融商品市場外取引” の事です。

出典:SBI証券 PTS(SBI PTS)とは何ですか?




・PTS取引の2つのメリット
1、夜間など取引所の時間外に売買が出来る
取引所取引がオープンする前の08:20から売買をする事が出来る他、取引所がクローズとなっても帰宅後に23:59まで売買が可能です。

これは平日の昼間にサラリーマンなどで企業に勤めている方に朗報でして、専業投資家ならば東証の取引時間中にパソコンのモニターの前に張り付き、「板」やチャートを監視しながらタイムリーに売買も出来ますが、兼業投資家のサラリーマンでは職種によっては私物のスマホから株を売買するというのはちょっと難しいものがあります。

私なんぞ、過敏性腸症候群や「トイレが近い」事もあって、前職ではしょっちゅうトイレに行っていたのですが、どうも社長からはトイレの中で株の売買をしていると思われていたみたいです。

私自身もそのように疑いをかけられるのは嫌だったので、机の上にスマホは置いてトイレに行っていたのですけれども、もうそのような疑いをかけられる事も無いでしょう。時間外に売買が出来る訳ですし。




2、「後出しジャンケン」が出来る
アメリカの方が日本よりも時差が遅れている事から、日本の東証などの取引所の方が早くオープンとなります。

一般的に日経平均株価やTOPIXは、米ドル/円の為替やダウ工業平均株価など米国市場の影響を受け、為替が円高に動いたり、ダウが下落すれば大抵翌日の日本株も下げる形となります。(もちろん必ずという訳ではありませんが)

となると、月曜日の日本の株式市場では、ニューヨークの取引所が時差の関係でまだオープンしておらず、当日や今週の流れが読みにくい展開となりがちです。人によってはこれを結構気にするでしょう。

よって気にする方は金曜日には損出しなり益出しなりでポジションを減らし、月曜日は売買せずに、日本時間で月曜日の夜間にニューヨーク市場がオープンして翌日の火曜日の朝にクローズとなった結果を見てから、火曜日に売買をするという個人投資家の方も多いのではと思います。

もちろん、これもひとつの手ではあるのですが、仕事から帰宅後に食事や入浴を済ませ、ニュースなどに目を通し、為替やニューヨーク市場の流れを見てから、PTS取引で売買をするという事も出来ます。

また、東証など日本の取引所での取引が15:00に締まってから個別銘柄の企業から決算の発表やIR、不祥事や不正など何か材料が出た際もPTS取引のナイトタイムセッションで「後出しジャンケン」的に売買をする事が出来ます。

加えて朝起きてから、世界のニュースや為替、ニューヨーク市場の動向を見てからデイタイムセッションで東証などの日本の国内取引所がオープンする前に売買をする事も出来ます。

株は売り手と買い手があって売買が成立するので、実際にはPTS取引に参加する投資家が多く、「板」が厚くないと、銘柄によっては売買が成立しなかったり、「板」が薄く、売値と買値の差であるスプレッドが開いてしまうというデメリットも考えられますが、選択肢が増えるというのは、投資家によってメリットといえます。

また、証券会社によってはPTS取引に対応していない証券会社もある事から、PTS取引に対応している証券会社を使うというのは、それだけで上述の様なメリットを享受できますし、一方でPTS取引に対応していない証券会社を使っている場合は、そのようなメリットを活用出来ないともいえます。




・PTS取引を提供している証券会社と特徴
※東証の取引時間
 09:00-11:30
 12:30-15:00

☆SBI証券
・PTS取引時間
 08:20ー16:00(昼間取引)
 17:00ー23:59(夜間取引)

・対応PTS市場
 ジャパンネクストPTS※1

・手数料
1注文の約定代金が5万円まで:税込み50円
1注文の約定代金が10万円まで:税込み92円
1注文の約定代金が20万円まで:税込み108円
以下割愛としますが、取引所取引の手数料よりもPTS取引の方が約5%程手数料が安くなっています。 

※1 ジャパンネクストPTSには第1市場としてJ-Market、第2市場としてX-Marketがありますが、PTS新規注文入力画面から発注のPTS注文はJ-Market市場への発注となります。

出典:SBI証券 http://faq.sbisec.co.jp/faq_detail.html?id=11030&page=1


☆楽天証券
※2017年12月25日より日中取引を開始
・PTS取引市場と取引時間
 チャイエックスPTS(Chi-X)08:00ー16:00(昼間取引のみ)
 ジャパンネクストPTS(JNX)08:20ー16:00(昼間取引のみ)
※ジャパンネクストPTSの夜間取引(16:30ー23:59)は2018年度中に開始の予定

・手数料
自身が選択している手数料コースと同じ手数料体系 

出典:楽天証券 https://www.rakuten-sec.co.jp/web/domestic/pts/



☆松井証券
※2018年3月19日より昼間及び夜間取引を開始
・PTS取引時間
 08:20ー15:30(昼間取引)
 17:30ー23:59(夜間取引)

・対応PTS市場
 ジャパンネクストPTS(J-Market)

・手数料
今ひとつ分かりにくかったので、手数料についてお客様センターに問い合わせをしてみたところ、通常の東証などの取引所での売買と同様の「ボックスレート手数料」との事でした。

注意点としては、取引所取引とPTSでの売買代金の合計が1日の約定代金としてボックスレート手数料が計算される事と、夜間取引(ナイトタイムセッション)は翌営業日の約定代金となります。

なお、松井証券のボックスレートでは1日の約定代金の合計が10万円までは手数料が0円、10万とんで1円以上30万円までは300円(税別)となっています。(それ以上の金額は割愛します)

出典:松井証券 https://www.matsui.co.jp/news/2018/detail_0302_01.html

・独自路線で差別化
さて、実は今回はPTS取引以外にも、違ったサービスで証券会社業界の下克上、あるいは仁義なき戦いともいうべきサービスを展開している証券会社がある事に気づきました。

実は岡三オンライン証券では2017年12月25日の約定分より、国内株式取引の現物と信用の定額プランの手数料が0円となりました。

出典:岡三オンライン証券 https://www.okasan-online.co.jp/cost_comparing/

2017年の年末といえば投資信託の信託報酬の値下げ合戦が過激化しており、大納会が終わった当日の夕方に三菱UFJ国際投信がeMaxis Slimの信託報酬の引き下げを発表した事にオッタマゲーしていた頃でした。

>>>関連記事:【eMaxisSlim】2018年の投資信託はETFを巻き込んで新年早々波乱の幕開けからスタート!?【値下げ合戦】

その影で実は岡三オンライン証券ではこのような「革命的」な手数料の値下げをしていたという訳です。(気付かなくてごめんよ)


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詳しくは関連記事にて述べていますが、昨年の2017年はオンライン証券会社における現物株の売買手数料の値下げも過激化しており、大手証券会社では1日あたり10万円までは売買手数料が無料というのが標準となりつつある現状です。

>>>関連記事:【下克上】国内証券会社では10万円までの現物株の手数料無料が基準となる?【戦国時代】

岡三オンライン証券ではPTS取引に現状では参加していないものの、10万円の2倍の20万円まで売買手数料が無料というのは、革命的あるいは挑戦的ともいえます。

この数年んで、株の売買手数料や投資信託の信託報酬などサービスや商品の設定が激化し、投資家はよりその恩恵を享受出来るようになった事から投資環境が改善されたともいます。

一方で証券業界では証券会社は生き残りをかけた戦国時代と化しており、2018年も取引サービスの激化となるのではないでしょうか。

岡三オンライン証券では1日あたりの売買代金の合計が20万円までは手数料を無料として独自路線で他のオンライン証券会社と差別化をしていますが、もし岡三オンライン証券が今後、PTS取引や貸株などのサービスも開始したら、他の証券会社がどのような対抗措置を出してくるのか、今後も動きに注目をしていきたいところです。

※PTSの夜間取引の際は配当金や株主優待の権利取りにご注意を!

>>>関連記事:株主優待券の権利を取得する際に気をつけたい2つの事

>>>関連記事:カブドットコム証券のフリーETFによる売買手数料無料でスイングトレードするのに適した銘柄