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2018-03-06

雑所得の帳簿や経費計上の基準日などの基礎と注意点のまとめ

こんにちは、ストーンヘッド鈴木です。

白色申告や青色申告の単式帳簿や複式帳簿の書き方については巷で市販されている本やネットに情報が出回っていますが、雑所得に関しては非常に情報が乏しいのが現状です。

→関連記事:【確定申告】雑所得の経費の計上についてわからない場合にオススメな解決方法【副業】

そこで今回は雑所得の基礎と注意点について述べたいと思います。


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サラリーマンとして企業に勤めながら、あるいはアルバイトをしながら副業をしている方も多いかと思います。

副業の主な種類として
・アフィリエイト(ブログ収入)
ビットコイン(仮想通貨/暗号通貨)
などがあります。

副業の所得の分類として
・雑所得
・事業所得
があり、事業所得には
・白色申告
・青色申告
などの開業届けを出した上での個人事業主としての申告があります。(法人についてはここでは省略します)

言い方を変えると、今回主に採り上げる雑所得は開業届けを出していない上での収入という訳です。

このように書くと何か雑所得はもぐりのような感じがしないでも無いですが、白色申告や青色申告など個人事業主と何も開業届けを出していない雑所得の大きな違いのひとつは、継続して安定的に売り上げがあるかという事です。

具体的にいくら以上の売り上げや利益がある場合は個人事業主、いくら以下の場合は雑所得という明確な基準が無いので、雑所得なのか開業届けを出して個人事業主になるべきかと悩む方も多いかと思います。

帳簿の手間や失業保険(雇用保険)の受給の権利などを踏まえると、個人的にはまだ売り上げが継続して発生しないようならば雑所得のままで良いのではと考えます。

では、ここから雑所得について大まかに説明をしていきたいと思います。



白色申告や青色申告では複式帳簿など条件はありますが65万円の控除の他、事業所得が赤字の場合、会社員やアルバイトの給与所得との通算や、それでも赤字の場合は翌年以降の繰り越し控除など節税も出来ます。

一方で雑所得では給与所得との通算は出来ず、またその年度内の雑所得内での収入と経費との損益の通算のみとなります。

以下、雑所得のおもな項目をまとめました。



1、帳簿
雑所得では単式帳簿や複式帳簿など特にこれといった決まった帳簿の種類や項目など書式や書き方が決まっているという訳でも無く、情報も少ないので逆にこのあたりが雑所得を難しくさせてしまっているのかもしれません。

税務相談コーナーにて税理士の先生に質問した限りでは、雑所得では特にきまった形式も無いので、収入と経費、レシートをまとめる(束ねる)程度で良いとの見解でした。



2、帳簿の書き方の一例(項目)
☆収入
企業名/名目/確定日/金額/備考

☆経費
科目/支払先/支払日/内容/金額/備考

私の場合は当初、コピー代をケチって手書きでルーズリーフにボールペンで作成していましたが、今はエクセルで作成しています。この方が帳簿への計上作業が楽で時間も短縮出来ます。

備考欄には経費の家事按分(個人でも使う場合、何割を経費に計上するのかの割合)の計算式などを細かく書いていましたが、レシートの該当部分に線を引き、そこにメモをする程度でも可との事でした。要はどういった理由で物品を購入したのかなど相手側がきちんと納得出来るような合理的な説明出来ればOKというニュアンスでした。



3、基準日
大前提として、収入も経費も1月1日から12月31日までのものが対象となります。

収入においても経費においても、
ー発生日
ー確定日
ー銀行振込み日/引き落とし日
のいつを基準にするのかによって収入や経費の計上にズレが発生するので注意が必要です。

☆収入(売り上げ) 
グーグルアドセンスやアフィリエイトの場合、金額の確定日が基準(実現主義)となり、支払日や振込み日ではない点に注意です。

ASPによっては例えば報酬が1,000円に達するまでは振込みがされないなど支払いの条件がありますが、振込みがされるか、否かではなく、あくまで確定した日とその金額が収入の計上の基準となります。

☆経費 
原則は発生日が基準(発生主義)。クレジットカードにて支払った場合は購入した日(発生日)とクレジットカードの支払日にズレが発生します。
ややこしいのは携帯電話などを利用した(発生した)月と請求が上がってくる月、そしてクレジットカードの請求として上がってくる月と引き落としがされる月とでズレが発生しますが、税理士の先生曰く、基本的には発生日が基準との事。

クレジットカードなど支払い方法にかかわらず、発生日を基準に経費を計上した方が年度内の経費の計算が非常に楽と感じました。



4、経費に該当する物(アフィリエイトでの経費を前提とした場合の一例
ースマホ本体
ー携帯電話の電話代、月額利用料
ー電気代
ーサーバー代
ー独自ドメイン代
ーパソコン本体
ーインターネット利用料(プロバイダ料金)
ー家賃
ー取材費(交通費、取材の為の飲食費など)
など

一般論として、なんでもかんでも経費にぶち込めばOKという訳ではなく、税務署の職員など第三者が納得出来るような合理的な理由が必要です。

明確な基準が無い分、逆の立場になり、本当にその商品やサービスが記事を作成するにあたり、経費として必要かなと一呼吸置いてみると判断しやすいかと思います。

例えば記事作成の為の取材に自家用車を利用した場合、一般的にガソリン代や車検や保険代などの維持費も経費の対象となりますが、車が取材のみでの使用でも無い限り、プライベートでの使用分との家事按分による割合や、走行距離や使用日時の記録などがあると、合理的な説明がしやすいのではないでしょうか。



5、雑所得の注意点
見落としがちではありますが、
ー株主優待
ー米国株など外国株の為替差益(為替の儲け)
ー株式投資での貸株金利、預株料、配当金相当額
ービットコイン(暗号通貨/仮想通貨)
は雑所得の対象となります。

なお、それらのうち、為替差損(為替の損失)はアフィリエイトの経費と同様に、雑所得内での収入である株主優待やアフィリエイトの収入から差し引く形となります。

その際に、やはり雑所得の収入と経費をまとめた表があると収支の計算が非常に楽ですし、見える化にもなるので、自分自身も把握をしやすいです。



6、申告は必要?
給与所得が1ヶ所からのみの方がアフィリエイトなどの副業で雑所得が年間20万円以下の場合は、雑所得を確定申告する必要はありません。

見落としがちではありますが、そもそも確定申告は所得税についての申告で、確定申告をする事により、住民税(県民税・市民税)の申告をしなくても確定申告のデータが住んでいる市町村役場に行くという訳です。

よって確定申告をしない方で雑所得がある方は金額にかかわらず、別途住民税の申告が必要となるので注意が必要です。

一見矛盾したおかしな事を言っているように感じるかもしれませんが、所得税と住民税とでは管轄が違うのでしかたがありません。

また、医療費控除や株式の譲渡損の繰り越し控除などで確定申告をする場合は、雑所得なども申告する必要性が出てくるので注意が必要です。

なお、会社バレを防ぎたい方は申告書に住民税を「自分で納付する」(普通徴収)を選択する事を忘れないように。


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